『「また話したい親」と「もう話したくない親」』を動画風にしてみました
~なんだから、もっとしっかりしなさい!
言ってしまいやすい2つの場合
「~なんだから、もっとしっかりしなさい!」という言葉は、2つの使い方があります。
役割を引き合いに出して使う場合
例えば、役割を示しながら、次のように言うこともあると思います。
- お兄ちゃんなのだから、もう少ししっかりしなさい
- お姉ちゃんなのだから、もう少ししっかりしなさい
これは、役割を教えたいときに使うことが多いと思います。
しかし、「もっとしっかり」だけでは曖昧すぎます。
『しっかり』の内容をもう少し具体的に示してあげるようにした方が良いと思います。
【例】
- 自分で服は着替えなさい
- 悪いことをしてしまったら、自分で誤って仲直りできるようになりなさい
- 自分よりも小さい子には、ものを貸してあげられるようになりなさい
- ・・・・・
成長の程度を引き合いに出して使う場合
成長の段階を示しながら、次のように言ってしまうことあると思います。
- もう幼稚園なんだから、もう少ししっかりしなさい
- もう小学生なんだから、もう少ししっかりしなさい
- もう●●年生なんだから、もう少ししっかりしなさい
- もう中学生なんだから、もう少ししっかりしなさい
- もう高校生なんだから、もう少ししっかりしなさい
- もう大学生なんだから、もう少ししっかりしなさい
- もう社会人(大人)なんだから、もう少ししっかりしなさい
特に、どの段階においても同様のことを言い続けているようであれば、少し気をつけた方が良いと思います。
それは、常に子供に対して、『今のままのお前ではいけない』というメッセージを送り続けることになるからです。
そんな言葉をきっかけに、子供が『もう少ししっかり』を考えようとしても、「何をどうすればしっかりした自分になれたことになるのか」という具体的な目標を持つことも出来ません。
そして、子供は、漠然と「今の自分ではいけない。もっとしっかりしないと・・・」と思い、安心して、子供らしく過ごしにくくなります。
また、「しっかりした自分」になる為に、成長すべき課題、つまり、自分の欠点ばかりを探し出し、そこを変えようと努力し続けるような傾向性を身に付けさせる恐れがあると考えています。
自分のできていることには意識が向かなくなるということです。
対応方法
親が子供の成長していない点ばかりに目を向けるのではなく、子供の成長した点・出来ていること・長所などに目を向けるよう意識するようにすると、子供に成長を強い続けることには陥りにくくなると思います。
そして、その為には、親が、自分自身の成長したこと・出来ていること・長所・頑張っていることなどを意識できるようになり、それらを自分自身が認められるようになることが大切だと思います。