小学校の記憶 ・・・ 大人の意識の方向

Pocket

「子供の心に寄り添う」ということは、どのようなことかを、私の小学校での記憶を例に説明します。

 

それは、図工の授業での経験です。

自画像を水彩画で描いていました。

 

絵を描くことが好だったので、作業は順調に進みました。

そして、完成に近づいてきた頃、担任の先生が、私の絵を見て言いました。

 

「お前の絵を、市の展覧会に出品することにしよう」

 

そう言われた時の気持ちを思い出すことは出来ませんが、

たぶん、嬉しかっただろうと思います。

スポンサード リンク

ところが、完成間際になって、

鼻の辺りに塗った絵の具が気に入らなくて、水で湿らせた布で拭き取っていると、

その部分の画用紙が、ボロボロとはがれてしまったのです。

 

「エラいことしてしまった!」と心の中で思いました。

でも、担任に言うことは出来ませんでした。

 

誰にも見つかれないように、

修復しようと頑張りましたが、

頑張れば頑張るほど、画用紙はボロボロになっていきました。

 

たぶん、泣きたい気持ちを必死にこらえていたと思います。

 

その様子に気づいた隣のクラスメートから、

「早く、先生に言った方が良いんじゃない?」

と言われましたが、やっぱり、先生に言うことは出来ませんでした。

 

それは、家庭での学習が影響していたのだと思います。

 

母親に、つらい気持ちを話して、心が救われたことなどありません。

 

逆に、

  • 自分にとってつらいことを話すと、責め立てられる、余計につらい気持ちになる。
  • 母親の期待を裏切れば、許してもらえない。

そして、

  • 『自分では何も出来ない人間』扱いされる

というのがいつもの結末です。

 

だから、当時の私は、隠すしかなかったのです。

 

でも、 いつまでも隠し通せるはずがありません。

終いには、先生に見つかってしまいました。

 

「なんてことしたんや!」

「何で、もっと早く言わない!」

「ああ~ぁ~あ、もう、展覧会には出せないわ」

 

そんな言葉を浴びせかけられて、新しい画用紙を渡されました。

描き直しです。

 

一生懸命に描きました。

 

また、展覧会に出せるような絵になればと思って、

一生懸命に描きました。

 

でも、もう、先生は、私の絵には見向きもしてくれません。

 

というか、その絵を描く図工の時間は、

 

私のことを気に掛けてくれなくなったような・・・

相手にしてくれなくなったような・・・

無視されているような・・・

 

そんな感じがしていました。

 

そうして、描き直した絵は、展覧会の作品に選ばれることなく、

数日に渡った自画像の授業は終わってしまいました。

 

当時の私は、

  • 失敗した自分が悪い
  • 失敗したことを、早く先生に言わなかった自分が悪い

そう理解していました。

 

でも、今から振り返ると、先生の対応は最悪だったと思います。

その先生は、子供の気持ちなど、ひとつも考えていないからです。

 

児童心理のプロであるはずの先生がこんな感じですから、

普通の親の意識が、子供の気持ちではなく出来事にばかり向きやすくなっても、仕方ないところはあるでしょう。

 

 

もし、今の私が、小学校のその場面に戻ったとしたら、子供の頃の自分に言ってあげたいことがあります。

 

失敗が担任にバレたときの自分には、例えば、次のように言ってあげたいです。

「失敗したこと、ずっと言えなかったんだね・・・、ひとりで我慢するのつらかったでしょ・・・、苦しかったね・・・」

 

一生懸命に描き直しているときの自分には、例えば、次のように言ってあげたいです。

「一生懸命に描きなおしているのに、先生が何も言ってくれなくて寂しいね・・・」

 

せめて、先生も

「一生懸命描きなおしてくれたけど、今回は出さないね。残念だったね。」

とか

「描き上げる前に、『展覧会に出す』なんてプレッシャー掛けちゃって、ゴメンね。」

とか、何でも良いから、一声掛けてくれたら気持ちが救われていたと思います。

 

今回、お伝えしたかったのは、

  • このような状況で、「失敗したこと、ずっと言えなかったんだね・・・、ひとりで我慢するのつらかったでしょ・・・、苦しかったね・・・」という言葉を掛けてあげられるような意識を持つことが大事

ということです。

 

今回の内容を整理すると、次のようになると思います。

  • 意識が出来事に向かえば、ダメージを受けている心に更なるダメージを与える可能性が高まる。
  • 意識が気持ちに向かえば、ダメージを受けている心が救われる可能性が高まる。

 

これは、子供に接するときだけに限ったことではありません。

大人同士の関わりでも同じです。

 

ちなみに、以前、キムタクのドラマで「PRICELESS」というのがありました。

このドラマの中で、キムタクが、

自分を陥れたり追い詰めたりする相手に対して、

相手の気持ちを推し量って、いたわる言葉を繰り返し言っていたのを思い出しました。

 

自分を陥れる人を労るのは、現実的には難しいかもしれないけど、

相手の気持ちのいたわり方を勉強する教材として使えるかもしれません。

 

もし、機会があれば、レンタルして見てみて下さい。

 

 

 

Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です