「わがまま」にまつわる勘違い

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「わがまま」って何?

広辞苑(第三版)で調べてみました。

わがまま(我儘)

1.自分の思うままにすること。自分の思い通りになること。

2.相手や周囲の事情をかえりみず、自分勝手にすること。きまま。ほしいまま。みがって。

だそうです。

一般的な認識も、この説明と大差のないと思います。

ここで、注意しなければならないのは、「わがまま」という振る舞いをする人の年代が特定されていないことです。

そこから、そのような行動をする人の年齢として、0歳 ~ 寿命 だと、多くの人は認識してしまっているように思います。

実際の場面で0歳をわがままだと思うことは無いでしょうが、3歳あたりになってくると微妙な感じになってきます。

これが、勘違いを引き起こさせる原因です。

 

「わがまま」を言う

 

  • 子供は、決して「わがまま」は言わない

 

これは断言できると考えています。

年齢が小さくなればなるほど、この言葉の精度は高まります。

小学校入学以前であれば、この言葉が正しい確率は100%に近いでしょう。

一般的に「わがままを言っている」という状態になっている幼稚園児を想像してみて下さい。

そんなとき、彼らは、何をしているでしょうか?


悲しいから、「悲しい」と言っているだけなのです。

でも、幼ければ幼いほど、自分の気持ちを的確な言葉で表現できないでしょうし、そんな言葉を知らないということは誰もが想像できるでしょう。

それだけのことです。

自分の気持ちを言葉にすることは、悪いことですか?

泣いているだけで、「おもちゃを買え!」と子供がわがままを言っていると感じる大人もいます。

でも、子供は、そんなことは言っていません。

ただ、悲しいだけです。

そして、抱きしめて欲しいだけ、優しくして欲しいだけなのです。

「わがままを言う」というのは、子供の気持ちを理解できない大人の、それこそ「わがまま」な解釈によって生み出された子供を黙らせるための口実の言葉なのです。

 

 

わがままに育てる/育てられる

「わがままに育てる」「わがままに育てられる」という文章から分かることは、その行動の主体は、子供ではなく、その親だということです。

「○○さんは、わがままに育ったから×××」「○○さんは、わがままに育てられたから×××」という文脈で、○○さんを責めるのは筋違いだということは理解しておいてください。

「わがままに育てる」「わがままに育てられる」についてもう少し詳しく見ていきます。

感情的になった子供に、どのように対処すれば良いかはこれまで何度も述べてきました。

  • 子供が泣いたら抱きしめればよい

この方法を知らないと、対応は次の3通りの中の何れかになるでしょう。

  1. 泣いているのを放置し、泣き止むのを待つ
  2. 脅迫して泣き止ませようとする
  3. 泣いている原因を取り除こうとする

一般的に、この 1 と 2 のような対応が「きちんとしつける」と認識されているようです。

3の対応は、「おもちゃを買って!」と泣いていた場合は、おもちゃを買ってあげることです。

外から見れば、「子供がわがままで言うことを聞かないから、親はおもちゃを買わされた」、つまり、「わがままな子供だ」という理解になることが多いと思います。

しかし、この流れを詳しく見ていくと、次のようになります。

  1. わがままに育ててはならないと、おもちゃを我慢させることに決めた
  2. 子供が「おもちゃを買って!」と泣き始めた
  3. 子供の感情にどう対処したら良いか分からない
  4. 子供が泣いている状況に耐えられなくなった
  5. はじめの「おもちゃを買わない」という方針を変えて、おもちゃを買い与えた
  6. その責任を「お前はわがままだ」と子供に押し付けた

ここで問題なのは、「おもちゃを買った・買わなかった」ということではなく、

  • 「泣いている子供を抱きしめる」というステップが抜けている

 

ということです。

このように「わがままに育てる」「わがままに育てられる」とは、実は、その言葉から普通は連想されない「子供を抱きしめずに育てる」「親から抱きしめられずに育つ」ということを意味するのです。

子供には、何の責任もありません。

そんな親とのやり取りの繰り返しの結果、子供は「親から抱きしめてもらう」という一番の望みは諦めて、それ以外のもので、自分の心を埋めようとする傾向を身に付けていきます。

つまり、はじめに自分に浮かんだ欲求を押し通そうとする傾向性が強化されていくのです。

それを押し通すしか、自分が救われる道は無いと無意識の中で思い込んでしまっているのです。

「○○さんは、自分の思い通りにならないと感情的になる人だ」、「○○さんはわがままだ」と表現される人は、そんな事情を抱えて生きてきた人なのです。

お金持ちは?

さて、「おもちゃを買う・買わない」という例でずっと説明してきたので、ちょっと起こりそうな誤解を解いておきたいと思います。

すごいお金持ちの家があったとします。子供が「○○が欲しい!」というものは、「オッケー!買ってあげるよ!」というように簡単に買ってもらえます。

そんな風に育てられた子供は、「わがまま」と言われる大人になるのでしょうか?

そうではないと考えます。(金銭感覚的には、普通の人とは違う感覚になるかもしれませんが・・・)。

よっぽど、子供のことを放置する(無視する)親でなければ、親子間で何らかの軋轢は発生すると考えられます。

そのような状態になったときに、

  • 親が、泣いている子供を抱きしめたか
  • 面倒だからと親が自分を曲げたか(あるいは、子供無視して根性で自分を貫いたか)

 

がポイントです。極論すれば、

  • 子供が抱きしめて欲しいときに、抱きしめてあげたか?

 

ということです。

まとめ

「こう対処することは、子供のわがままを許すことにならないだろうか?」などと、色々な場面でいちいち細かく考えるのは全くの的外れです。

 

「それはそうだとしても、それは何歳頃までやればいいの?」と考え始める人がいるかもしれません。

そんなことも、あまり考えなくてもいいと思います。

子供が求めてくるうちは、やってやればいいのです。

そのうち「抱っこさせてくれ!」とお願いしても、「そんなのイヤだ!」と拒む時期が自然にやってくるのですから・・・。

それまで、たくさん抱っこさせてもらっておきましょう!

世の中に溢れかえる雑音に惑わされずに・・・。

親にとっても、子供にとっても、人生の中で1回限りの大事な期間なのですから・・・。

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