
よその家庭・親の批判

私の経験
私の母親は、テレビで、子供の犯罪や親による子供の虐待のニュースを見たとき、「あれは親が悪い」とか「ひどい親だ、よく子供にあんなことができるもんだ」といったことを言っていました。
また、「○○ちゃんのところのお母さんは、子供の頭を叩く。私には考えられない。」といった感じに、よその子の母親の批判もよくしていました。
そんな話を頻繁に聞かされていた私は、そこから逆説的に、「うちの母親は、そんな風に非難されることのない良い母親なんだ。」と理解していたようです。
この母親が他の親を批判する言動には、ボディーブローのように私の心のダメージを大きくする働きが秘められていました。
今の私は、母親が私にしてきたことを考えると、「自分のことを棚にあげて、よその親に対して、よくもそんなことが言えたものだ」と思うことができます。
でも、子供には、分かりません。
たぶん、社会人になったときも、気づいていなかったと思います。
心の苦しさに押しつぶされそうになって、心理に関わる活動、カウンセリングの勉強や実践を通して、ようやく、自分が母親にされてきたことの意味を理解できるようになった感じです。
母親のボディーブローの影響は、心の苦しさの原因追求を、私自身を責める方向に向かわせたのです。
「自分の家は、普通の家庭。そして、良い母親に育てられた。なのに、自分の心はこんなにも苦しい。これは、自分の心がおかしいことが原因に違いない・・」というように・・・。
「自分が育った環境は、普通ではなかった」と気づくことだけでも、随分と年月が掛かってしまいました。
私の親心
誰もが、他人のやっていることなら酷いことかを識別できるけど、自分のこととなるとそれが出来なくなるということなのでしょう。
そのあたりのことは、夫婦で補い合うしかないのだろうと思います。
あと、何か我が家のルールのようなことに従わせようとするときは、「うちではそれが普通だけど、よその家は違うかもしれないよ」ということは、気づいたときには言うようにしているってことかな・・・。