許されることを経験させる
何か間違ったことや失敗をしたりした時に、その出来事に対する感覚は、人によって違いがあり、それは大きく2つの感覚に分類できると考えています。
- 事態を告白し適切に対処しようとする
- 事態を隠ぺいし発見されないことを祈る
この違いは、幼少期の体験が関係していて、その体験によって身に付けた感覚が、その人の人生を大きく左右するのだと考えています。
しつけ
この世に生れてきた子供が、善悪や善し悪しという分類があることに直面するのは、親のしつけということから始まります。
このしつけには
- 親が怒ったふりをして、悪いということを教えようとしている
- 親が感情的に怒っているだけなのに、その行為を『しつけ』と称して正当化している
という区別があるのですが、ここではその詳細は省略します。
子供から見てみれば、どちらにしろ『親が怒っている』と認識し、「親を怒らせては自分がつらい気持ちになるので、親を怒らせるようなことをしないようにしよう」と考え、子供は自分の行動を修正していきます。
そして、子供は、「ごめんなさい、もうしません」と親に言います。
『しつけに対する子供の反応』に対する親の反応
ここで、親がどのように反応するかが重要です。
ということです。 これによって、
ということを学んでいき、その結果、正直に誠実に対処できるようになっていくのだと考えています。 ところが、
- いくら謝っても許してもらえず、親の機嫌が直って、親がそのことを忘れて言わなくなったとき、その責めから解放される
ということが繰り返されると、
- 自分の過ちや失敗を告白することは、許されるための行為ではなく、親の機嫌を悪くし、機嫌が直るまで責められなけれなばならない時間を作る行為
という位置づけになってしまい、子供にとってのメリットは消え失せてしまいます。
失敗や過ちを親に言いたくなくなるのは当然のことなのです。
それなのに、「悪いことをししたのに、なぜ、隠した!」などと、親がしつけしているような気分になって子供を怒鳴ってしまっては、それは、子供にとっては理不尽な拷問以外の何物でもありません。
仮に、その場では、子供の謝罪を受け入れあっさり許したように振る舞ったとしても、子供がまた同様のことをしてしまった時、過去のことを蒸し返されてあれこれ責めたてられるようなことを繰り返し経験しても、子供が「謝れば許される」という実感を身につけることにはつがりません。
「あの時は許したようなことを言っていたけど、結局は、許されていなかったんだ」と認識し、『謝っても、結局は許されない』という感覚を身につけてしまいます。
そのような経験を繰り返した結果、子供は、親に自分の失敗や過ちを語らなくなり、逆に、それらを隠そうとする傾向を身につけさせることにつながるのです。
どんなことでも、隠しごとをすれば、結局は自分を追い詰めることになります。
そんな『隠しごとをする習慣』を身につけさせてしまっては、子供これからの一生を、ちょっとした失敗や過ちでも、それを隠し孤独なままに追い詰められていくような心の傾向をもって過ごさなくてはならなくさせてしまうことにつながるのです。
子供が謝ったときには、本気で許してあげるということを、決して忘れないよう意識して下さい。