
子供が苦しさに追い詰められていることに気づけなくなるカラクリ
子供に限らず、人の心を追い詰めてはいけません。
追い詰めると、その心は「救いを求めること」を諦め、その意識は破壊(自己破壊・他者破壊)に向かい始めます。
ですから、人には、常に『心の逃げ場』が必要です。
『逃げる』という言葉が付くので、悪い印象を持たれる方もいるかもしれませんが、『心の安心・安定を取り戻す場所』と説明すれば、理解していただけると思います。
『逃げ場所』があって、心の平静を取り戻せるから、理性的な行動が取れるようになるのです。
そんな『逃げ場』を持つことが出来る人間かどうかは、幼少期の経験、特に、家庭での経験が重要だと考えています。
もちろん、「問題があれば適切な対処をする」の主語は、もちろん、『子供』です。
子供は、安心にさえなれば、子供らしく適切に対処する十分な能力を持っていると思います。
親、もしくは、保護者とのそのようなやり取りを繰り返して成長すれば、自分の力で平静を取り戻せる人を探し、そして、平静を取り戻し、その時々に、適切な対処ができる人になるのです。
ところが、
といった対処をすると、子供に心の逃げ場はなくなってしまいます。
つらい気持ちは、我慢するしかありません。
また、自分のことは、自分で守るしかありません。
そんな環境で長く過ごしていると、いつも緊張感を感じ、他人にオドオドした雰囲気を感じさせるようになったり、逆に、他人に攻撃的になったりします。
また、「自分が悪いからこんな目に合うんだ・・」と自分を責め、自分が変化することで身を守ろうとすることもあります。
このような身構えた心の姿勢は、成長して大人になったからといって、変わるものではありません。
逆に、自分を追い詰め続けることになります。