心を楽にするために振り返る子育て

そんな子供に育てた覚えはありません!

「そんな子供に育てた覚えはありません!」という言葉の持つ意味と影響

子供を育てたのは、紛れもなく親です。

ですから、子供にこの言葉をいうことは、例えば、

道を歩いていて石につまずいたときに 「誰だ!こんなところに石を置いたのはっ!!」 「なぜ、行政は、こんなところに石を放置したままにしているんだ!」 などと叫びその責任者を探し出し、責任を取らせようとする

ということに近いところがあるのです。

そして、「そんな子供に育てた覚えはありません!」というのは、この例では、自分がつまずいた石に対して、責任をとれと言っていることになります。

石に対してそんなことを言っても、当たり前のことですが、石は決して責任を取ってくれません。

しかし、それが子供だと、変ってくるのです。

  • 子供が、自分自身が変ろうとしてくれる
  • 子供が変わってくれる

といことで、親の代わりに責任を取ろうとし、そして、責任をとってくれるのです。

この子供の自己犠牲ともいえる親への愛に、親が甘えているということに、親自身が気付く必要があります。

あまりこの言葉を使いすぎると、子供に「自分は、悪い存在として生まれて来てしまった・・」という感覚を植えつけることになる恐れがあると考えています。

子供は勝手に学習し、学習は次の行動で活かされる

しかしながら、「親こそが諸悪の根源だ!」と言っているわけではありません。

きっと、ただ、苦しいだけなのだと思います。

親が自分の苦しさを楽にすることが出来れば、自然に、子供への対応も変り始めます。

子供の中に、「多くの変る必要のない部分」があることに気付き始めます。

すると、子供が親から受けるストレスは小さくなり、子供を親の思い通りに変えようとしなくても、変る必要を感じる部分は、自然に変り始めます。

これは、もともと子供が持っている能力です。

親が子供を変えようとしなくても、自分で経験し、学習していくのです。

経験するから学習できるのです。

ですから、『子供が経験した』という事実を責めてはいけません。

やったとしても、

  • 子供が何を経験したか
  • そして、その経験から何を学んだか

の確認程度に留めるべきです。

そして、その学習が生かされるのは、『過ぎ去った過去ではなく、次の機会という未来だ』ということを、念頭においておくことが大切です。

この子供がもともと持っているそんな自然な学習能力が機能をすることを、親が親の思い通りにしようとするから、逆に、妨害してしまうのだろうと思います。

そして、その学習能力を促進させるのが、『その時々の子供の感情を受けとめてあげる』ということなのです。

本当の問題

子供の行動によって、親がストレスを感じさせられることは、とても多いです。そのストレスと向き合い続けることはとても大変なことです。

しかし、そのストレスを子供に解決してもらおうとするのは、親子が逆転してしまっているのです。

そのストレスは、夫婦の間でじっくり話を聴いてもらったり、お互いを労い合ったりすることでやわらぐはずです。

友達に聴いてもらっても良いと思います。

親がそんな話し聴いてもらえるような状況が作れないで、頑張ってばかりいると、最後には「そんな子供に育てた覚えはありません!」と言わざるを得ない心境に追い詰められてしまうのです。

一人きりで頑張ろうとしないで下さい。

日々の大変な状況や、大変な状況の中でも頑張っている自分の気持ちを、子供以外の人達に話し、聴いてもらって下さい。

そして、優しくしてもらって下さい。

優しい言葉をかけてもらって下さい。

そこに本当の解決があるのだろうと思います。

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