1. 誤った解決の方向性
「【補足2】親の過干渉が子供の性格に与える影響」で説明した状態に陥って悩んでいる人を見たとき、
- 「不健康な関係性の中で身に付けた条件反応の影響が現れている」
と考えることはできますか?
たぶん、できないと思います。
大人でもできないことを、子供にできるはずがありません。
子供たちは「自分の心に問題がある」と考え、心の問題を解決しようとするようになります。
そして、自己否定を繰り返す状態に陥って、自分を追い詰め、心に苦しさを抱えるようになってしまいます。
「心の問題を解決すれば、苦しさも解消する」と思い込んでしまった場合は、自分一人で解決することが難しく、心理カウンセラーなどの専門家の助けが必要となります。
【追記 (2015/01/27) 】
本当に悟っている和尚さんが開催している座禅会に行って、みるというのも一つの方法かもしれません。 カウンセラーの座禅体験記
2. 親や社会が、子供を叱咤激励して変えようとする
心理的に追い詰められて、精神症状が現れたり、問題行動を繰り返す子供に対して、親は、
- 「もっとやる気を出しなさい」「怠けている」とか「甘えている」
- 「心に問題がある」
- 「そんな子供に育てた覚えはない」
などと言って子供を責めてしまいがちです。
社会にも、同様の雰囲気があります。
もともと、子供は変わろうと努力しても変われない自分を責めて、追い詰められてしまっています。
親の言葉は、そんな子供を、更に、追い詰め、居場所を奪ってしまいます。
3. 違いのない世界を作ろうとしたり、違いのない世界に属すことによって、安定を得ようとする
「与えられたパターンに従って感じ、考え、行動する人」には、
「その時々の自分の感覚や感情に従って、自由に考え、自由に行動する人」を理解することは難しく、
また、そんな人たちと一緒に過ごすことは、大きなストレスになります。
そこで、自分と似た性質や境遇、悩みを抱えた人同士で集まったり、
同じであることを要求される集団に属すことで
安定しようとする傾向性が生じ易くなります。
似たような人が集まっていれば、違いを感じることは少なくなりますし、
規則で多くの制約が課せられていれば、自分で判断しなくても、
与えられた規則に従いさえすれば、違いを感じなくて済むからです。
また、他人と自分の違いを感じても、修正すべき方向は明確です。
他人との違いに気づく度に、
- 「どのように感じるのが正しいか?」
- 「どのように考えるのが正しいか?」
- 「どのように行動するのが正しいか?」
と、自分や他人を否定する苦しい状態から解放されます。
「その時々の自分の感覚や感情に従って、自由に考え、自由に行動する」
という曖昧な感覚が理解できなくて苦しむことからも解放されます。
【参考】
このトピックは、次の5つの投稿によって構成されています。
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