「一般常識を身に着けさせておかないと、世間(学校や社会など)で子供につらい思いをさせてしまう・・・・」と考えて、しつけや教育ということで、次の図のような状態になることがあります。

世間について軽く話して教えてあげるのは問題ありません。
上の図では、親は子供に、
- 世間では風当たりが強そうな行動・思考・反応などをしないように
- 世間が好みそうな行動・思考・反応などをするように
予め教え込み、教え込んだ通りに行動させようとしているところを表しています。
これは、しつけや教育と呼ばれることがある状況です。
このように、子供の行動・思考・反応などを、予め矯正しておけば、子供が世間の風当たりを受ける確率は低くなることが期待されます。
ですから、「子供を(世間から)守る」というと、上図のような対処をイメージしてしまい易いところがあります。
次の図を見て下さい。
この図のよな状況が、実際に起こることはありませんが、ちょっとイメージしてみて下さい。

社会の常識を強制しようとする集団の代表者が子供の家に押しかけてきて、子供にそれらを押し付けようとしている様子です。
では、次の図を見て下さい。
一番最初の図を、子供にとっての意味を踏まえて表現し直したものです。

どうです?
世間の代表者の図との違いはありますか?
子供から見れば違いはありません。
世間では、「○○のときは、○○しなければならない」、「○○のときは、○○してはならない」といった雰囲気はあります。
しかし、子供は、その雰囲気に不自由さを感じますが、その雰囲気に、現実に責められることはありません。
ところが、家庭で、親が世間の代弁者として振る舞うと、子供は現実の責めを受けることになります。
世間の冷たい雰囲気を感じるよりも、そして、学校で先生や規則によって責められるよりも、身近な日常的体験となるため、心が受けるダメージも大きくなります。
そんな守り方しか出来ないのだったら、守ってくれない方がマシなくらいなのです。
これは、学校などでも同じことが言えます。
- 学校は、きちんと子供を守っていますか?
- ただ、世間や社会を代表して、子供を責めてばかりいませんか?
(上の図を見たら、子供が引きこもる時、なぜ自室に閉じこもるのかが理解できるでしょう・・・)
まとめると、家でも学校でも社会でも、
- 子供は代弁者によって傷つけられる
ということです。
これは、子供に限らず、大人でも同じです。
- 人は代弁者によって傷つけられる
そして、マスコミは代弁者の役割しか果たしていないということを覚えておいて下さい。
あなた、マスコミの代弁者(代弁者の代弁者)に仕立て上げられていませんか?

ですから、本当に子供を守ろうとすると、上図のように、構造を作る必要があります。
(家庭でも、学校でも・・・・)
ここまで読んでもらえたら、「子供を守る」「人を守る」の本当の意味がわかって頂けたと思います。
「○○を守る」、この言葉の本当の目的語が不明確だったため、誤解を引き起こしていたのです。

何を守るのか?
それは、「子供の元気」、「人の元気」なのです。

以前、親が学校に口出しすると家庭が荒れる!? でも、似たようなことを説明しているので参考にしてみてください。
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