今回は宿題を例に説明しますが、他のことでも同じです。
「宿題をしない子供」を、誰が叱るのが良いのか?
子供は、宿題をするようにしつけなければ、放っておいただけでは宿題はしないといえます。
ですから、子供に宿題をさせるには、誰かが何らかの対処をしなければなりません。
私が子供の頃は、宿題をして行かなかったら、
- 廊下に立たされたり、
- 一番前の列のそのまた前のところの特別席に座らされたり
- コメカミのところをグリグリされたり
- 肩の筋をつまんでコリッとされたり
・・・ など、各先生独自の手法によって、懲らしめられたものです。
また、他の子がそうされるのを見て、そうならないように宿題をしたという記憶があります。
でも、今は、学校では、怒られないのでしょうか・・・、
うちの子供達には、「宿題をしないと、学校でヤバイことになる!」といった感覚は全く無いようなのです。
そして、母親は、懇談会などで、先生から、「宿題をさせて下さい」とか「短くなった鉛筆は使わないように指導して下さい」とか、いろいろ重点指導事項を言われて帰ってきます。
最近は、先生が子供に余計なこと(?)をすると、体罰だとか、指導の仕方がおかしいとか、いちいち親が口出しをしてうるさいから、子供に言わずに親に言うようになってしまったのかなと想像しています。
でも、先生が子供を叱れなくなっていくと、家庭が荒れていく確率は高くなると考えています。
そんな内容を図にしました。
先生が子供を叱らないと家庭は荒れる
「家が荒れる」というのは、次のようなことを言っています。
- まず、親が子供にガミガミ言うことで家が不安定な空間になる
- だが、子供は簡単に親の言うことをきくことはない
- それでも、子供を従わせようとすると、親は、ガミガミをパワーアップしたり、行動をエスカレートさせたりしなければならなくなる
- 子供は親が口を開くだけで、「また、小言を言われる・・・」と感じるようになる
- 家は子供の逃げ場ではなくなり、子供は追い詰められてしまう
- 親のそれらの攻撃から身を守るために、やがて、子供は、
(1)自室にこもりがちになる
(2)遅くまで家に帰ってこなくなる
(3)親のガミガミや行動を上回る言動や行動を身につけていく - 他の家族達も、そんな雰囲気を感じ、家で気持ちが休まらなくなり、家から距離をとりはじめる
- 家を安心以外の雰囲気が漂うようになる(例えば、「親も子供もいつも不満を感じイライラしている」といった感じ・・・)
先生が子供を叱ると家庭は安定する
「家が安定する」というのは、次のようなことを言っています。
- 親は、余計なことで、子供を怒る必要はなくなります。
- 親は、楽になり、子供に対してイライラすることは少なくなります。
- すると、子供は、家(居間)が好きになります。
- 家の外で緊張したまま長く過ごさなくてはいけなかったとしても、家に帰れば緊張していない楽な時間を過ごすことができます。
- 緊張感のないところで、安心な人と関わりながら過ごせば、心身の疲労は共に回復していきます。
- そうなれば、子供の心は、家以外が緊張した世界であったとしても、その世界の感覚や価値観だけに支配されにくくなります。
( 参考 : 家庭の機能 )
【余談 : 成人後にも影響する】
子供の頃に、このような家庭の安定感(家庭での緊張感のなさ)を身につけていると、職業人になったときに、「家を心の癒しと体の休息の場」とすることができます。
逆の感覚を身につけていると、心労が重なると、逃げ場を失って、孤独な世界にはまり込んでしまうようになります。
ここは感覚として身につくことなので、大人になってから変えようと思っても容易に変えることはできません。子供の頃に覚えた感覚は、いつまでも残ってしまいます。(これが「三つ子の魂百まで」ということわざの意味するところだと思います。)
ですから、子供には是非とも「家庭は安心」という感覚を身につけさせたいものです。
結論
- 学校の先生が子供を叱らないと、親が叱る役割をしなくてはならなくなるので、子供から家庭という逃げ場を奪うことになります。
また、親自身を追い詰めることにもなるので、家に険悪なムードが漂い易くなります。
- 逆に、学校の先生が自信をもって行動できるように、親たちは、先生を信じて温かい気持ちで見守ってあげれば、先生に子供を叱ってもらえるようになります。
すると、親は学校に関連することについては、叱り役という役割から解放されます。その結果、家庭は安定し易くなります。
更に、将来、子供が持つ家庭の安定にもつながる確率も高まります。
ということで、叱り方の程度の問題はあるのかもしれませんが、やっぱり、子供たちの学校でのことは、学校で先生にしっかりと叱ってもらった方が良いと思います。
学校・先生への口出しはほどほどに・・・・
【余談 : 学校が荒れる原理 】
- 学校の先生が子供を叱らない
- 次第に家庭は荒れていく
- 荒れた家庭の子供が集まってくる
- 学校も荒れてくる。
※もともと別の要因で荒れている(安心できない)家庭のことは、別に考えなければなりませんが・・・。
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