たまには、自分の考えと対極の考えも読んだ方が良いのではないか・・・
そう思って、『子どもの「がまん」を育てる本』という本を読んでみることにしました。


自分とは別の見方にも、得られるものがあるかもしれないと考えたからです。
でも、想定外の内容は、特に見つけられませんでした。
細かい説明は省きますが、別のタイトルをつけるとしたら、「親にとって、手間のかからない子供の作り方」といったところでしょうか・・・。
「子育て」をテーマにした本は、大きく次の4つに分類できるんじゃないかと思っています。
- 手間のかからない子供にする方法
- 成長の各段階において、他人から子供が褒められる(親が評価される)方法
- 社会や世間から評価される大人に育てる方法
- 子供の心と生きていく力を育てる方法
1~3にこだわって子育てをしていると、恐らく、何らかの問題に突き当たることになると考えています。
Amazonなどの書籍販売サイトの書評を読んでみて、批判的な意見が多くあったのが救いでしたが、高い評価をつける方がいることも知りました。
書評を書くのは本を読んだ人の中のごく一部です。
ですから、「どれだけの人がこの本を読んで、どのように感じたの?」ということを知ることはできません。
もし、子育てに迷った人が、たまたま、このようなタイプの書籍に出合ってしまったら・・・
そして、書かれていることを真に受けてしまわないか心配になります。
この本は、
- 書いている内容に賛同できるかどうか
- 書いている内容を実践してみようと思うかどうか
を確認するために活用できると思います。
もし、該当するなら、子供だけでなく親自身も、苦しい世界に追い詰めてしまう恐れがあると思います。
ちなみに、このサイトの目的は、この書籍に賛同したり、実践しようとする人たちに、前述の1~3とは別の見方を知って頂き、「子供の心と生きていく力を育てる」ということを考えて頂くことにあります。
もう一冊、「その瞬間(とき)の言葉が子どもを変える」という本を読みました。
この本は、超お勧めです!
【各章タイトル紹介】
- 第1章 その瞬間(とき)のための心がけ ~日常に生かすカウンセリング・マインド~
- 第2章 今、その瞬間(とき)の対応術 ~困ったときに役立つ60のケーススタディ~
- 第3章 その瞬間(とき)のための子育てQ&A ~”悩み”から解き放たれるために~
- 第4章 その瞬間(とき)を支える”カウンセリング語録” ~気づくことから何かが変わる~
第1章の約40ページに大事なことが集約されています。
この部分を読むだけで、もとがとれると思います。
第2章はケーススタディとしているので、ケース毎の対処法を具体的に細かく書かれています。
ケーススタディという章なので、具体的に書かざるを得なかっただけで、「第1章を踏まえていれば、読者が、それぞれの考え方に従って、適当に対処すれば良い」、と著者は思っているだろうと想像しています。
私たちは、具体的なことが示されると、その通りにしなければならないと思ってしまいがちですが、第2章は、第1章の内容の応用例として、参考程度にサラッと読めば良いと思います。


この本で、一番、心に残った言葉は、
- もしも、子供をキツく叱ろうとするときは、「叱って傷つけてしまった子供を癒やしきる」という覚悟を持つこと
ほんと、ここが一番大切だと思います。
(注)言葉は正確ではありません。更に、実は、最近、ブログのネタ探しのために、色々と子育て関係の本を読んでいるので、もしかしたら、他の本に書かれていたことかもしれません・・・(スミマセン)
コメント
只今、妻と共に子供たちをどう育児していけばいいのか悩んでいる二児の父親です。
育児に関して調べていたところ、このページに出会い時間が経つのも忘れて読みいってしまいました。
これからの育児に早速取り入れてみよう!!と思う反面一つ不安な事が浮かんだので、その回答をいただきたくメールしました。
というのも、現在妻が重度のうつ病にかかり
殆ど育児に関われない為、実家で療養。
その間子供たちは妻の姉が実家の近くに住んでいて3歳の女の子と10ヶ月の男の子を預かってくれています。(私は妻の実家から離れた場所で単身赴任状態)
とても義姉には感謝しているのですが、度々私が子供を甘やかし過ぎだとか遠回しに育て方が良くないみたいな事を妻に言っているようです…
確かに義姉の子供たちは聞き分けがよく、優等生な感じで、うちの子は少しわがままだと思う事がありますが、
本当にそうなのでしょうか!?
わがままと言われる要因はご飯を食べない(すごく時間がかかる)
テレビやDVDを見たがる。「抱っこ抱っこ~」とせがむ。
このくらいです。
子供たちを義姉に見てもらっていて義姉もストレスが大分溜まっているようなので何も言えませんが
わがまま・育て方がよくないと遠回しに妻に話し、
それを聞いた妻がうつが進行し、最悪な悪循環を生んでいます…
私たちの子供に向こうに合わせるようにしつけた方がいいのでしょうか!?
こんな質問をされてご迷惑かもしれませんが、
なかなか答えを見つけ出すことが出来ず、悪循環が拡大していく一方です。
藁にもすがりたい気持ちでメールさせていただきました。
回答宜しくお願い致します。
私の今の理解を極論すれば、子供と関わるときのポイントは次のようになります。
・子供に好き勝手にさせる
・子供が嬉しそうにしていたら、一緒に喜ぶ
・子供がつらそうにしていたら、穏やかな気持ちを取り戻すまで、しっかり抱きしめ
・子供が道徳的に間違ったことをしたら、きちんと叱り
・子供がきちんと謝ったら、しっかり許す
このように子供と関わっていれば、恐らく、生きる力を損なうことなく、成人してくれると信じています。
ただ、子供に好き勝手な行動をされてばかりいると、親はやってられません。
そこで、自分の思う通りに行動させようとしてしまうのです。
私も、自分が楽になるために、しばしば、自分が考えるように子供を行動させようとすることがあります。
お釈迦様でもない私には、このようにしてしまうことは、やむを得ないことだと思っています。(ちなみに、私は、これを「しつけ」だとは考えていません。)
この「子供を自分の思い通りに行動させたい」というこのこだわりの出る部分は、100人いれば100通りです。
このこだわりが強い人は、自分の考えを子供に受け入れさせようと「しつけ」にこだわり、また、その逆として「甘やかす」ということにこだわる傾向が強くなると考えています。
そして、それに従わない子供を「わがまま」と呼ぶことが多いです。
( 参考 : http://www.childcare.pureheart-counseling.com/misunderstanding/0030-2 )
お義姉さんが、お子さんにわがままと言っている部分は、お義姉さんのこだわりなのだと思います。
「しつけ」「甘やかす」「わがまま」という言葉を中心に据えると、考えれば考えるほど分からなくなってしまうと思います。
ですから、大江さんが書かれたように、
>>わがままと言われる要因は
>>ご飯を食べない(すごく時間がかかる)
>>テレビやDVDを見たがる。
>>「抱っこ抱っこ~」とせがむ。
というように、具体的に考えることは、とても重要なことだと思います。
そして、お義姉さんは、これらにこだわりがあると理解すれば良いと思います。
仮に、お子さんが小学生くらいだったら、「申し訳ないけど、おばさんのところでは、おばさんに合わせて、うまいことやってくれな」と言って理解させることも可能かもしれませんが、お子さんたちが小さいと、理解させるのは難しいですよね・・・。
もしかしたら、子供さんたちは、お義姉さんのところで厳しくしつけられて、甘えが足りなくなっているかもしれません。
ですから、子供さんが、お義姉さんのところから帰ってきているときくらいは、「お義姉さんのこだわり」に合わせようとしなくても、大江さんや奥さんの考え方で接してあげれば良いのではないかと思います。
お義姉さんが「うつ」のことを、もっと理解してくれれば良いのにと思いました。
ご参考にして頂ける部分があることを願っています。